西原宏一のFXトレード実践編 ~収益に繋がるチャート分析~RCI編
みなさん、こんにちは
外貨exさんのファイナンススタジアムがリニューアルされたことで、僕のレポートもより実践的な形式に変更してからのコラム第3弾になります。
前回のコラムでは「注文方法」の変更によって相場を見る目が大きく変わり、収益性が増すことについてご紹介させていただきました。
今回は自分の得意とするチャート分析をひとつ持とうという提案をさせていただこうと思います。
FX を始めるとまず「金利が上がる・下がる」や「ウクライナとロシアの戦争による地政学的リスク」といったファンダメンタルズをチェックします。
しかし、ファンダメンタルズを追いかけるだけでは、相場のどこで入って、どこで出るというトレードにおける基本的なことはなにも教えてくれないことに気がつきます。
そこで次にチャート分析を研究するようになるのですが、いろんなINDICATORを追い求めると一つの相場に関して、様々な売買サインが出て混乱するようになります。
例えば、移動平均はデッドクロスが出ているから売りのはずだが、一目均衡表では、雲の下限に張り付いているから逆に買いなのではないか?というように、判断に迷うようになります。
これは、FXに限らず新しいことを始めるとよくあることなのであまり混乱しないようにしましょう。
例えば、受験勉強の時はこっちの参考書がいいとか、ゴルフを始めたばかりの時は友達が使っているパターのほうがいいのではないか?といったように、いろいろと悩みますよね。
FXも同じで、始めてしばらくたつと道具に、こり始めます。
FXにおいての道具はチャート分析においてのINDICATORになります。
このINDICATORは様々用意されていて、やれ一目均衡表だ、RCIだ、パラボリックだと様々な道具が用意されています。
最初はそうした様々なINDICATORを使ってみますが、いろいろと目移りすると使いこなすのが難しくなるため結果が出ないことがわかります。
そこであるINDICATORを参考書のようにぼろぼろになるまで使いきることを提案させていただきたいと思います。
ただどのINDICATORを徹底的に使い込めばいいのかを迷いますよね。
そこで今回は、RCIというINDICATORを使う事を提案したいと思います。
通常は、有名な「単純移動平均」や、株の世界でもポピュラーな「一目均衡表」を推奨させていたく事が多いと思います。
今回、僕がRCIを選んだのは、過去10年間に渡って個人投資家の方にいろんなINDICATORをご紹介させていただいた経験の中では、視覚的に見やすく、一番とっつきやすく人気が高かったのがRCIだったからです。
RCIの詳しい説明は拙著の「シンプルトレード」を参照していただきたいのですが、使い方の一例としてご紹介します。
添付図はドル円の1時間足でのRCI.
(外貨ex MT4チャートより筆者作成)
RCIの見方はいろいろとあるのですが、最もポピュラーだと思われるのが長期線(52=緑)と中期線(26=青)は天井にあるにも関わらず、短期線(9=赤)だけ下放れた後、再び、長期線と中期線が待つ天井に向け反発を開始する局面でLONGにするという手法。
(SHORTの場合は、この例の逆になります。)
こちらのドル円の例ですと、長期線(緑)と中期線(青)が5月31日に天井に接近する場面と、同日その後に長期線と中期線が天井付近に張り付いている局面、そして小さいですが、6月1日に長期線・中期線が天井に上に張り付いたままで、短期線(9)だけが反落した3回の局面が買いタイミングということになります。
この3回ではどれも50bps以上、真ん中の大きく下げてからの上昇では100pips以上も上昇しています。
この例は、月末のリバランスのドル買いという要素も加わったことで、極端にパフォーマンスがいいのですが、他の局面をみても悪くない収益力を叩き出します。
実際には慣れてくると他のINDICATORと組み合わせて、精度をあげようとするわけですが、いろんなものを組み合わせると、サインが増え混乱するため、当初はRCIだけのサインをみることだけに集中したほうがいいかもしれません。
他のINDICATORを組み合わせる前に、過去のパターンを確認し、こうしたケースではうまくいくが、違うケースの場合はあまりうまくワークしない。
そうした場合はどういうふうに考えればいいのか?と、いろいろと工夫するようになります。
そうしているうちに、使い古された参考書のようにRCIを使い込むことになり、一定の結果 (収益)はだせると考えています。
こうしたことを踏まえた上で、他のINDICATORをチェックするようにすれば、次に選んだINDICATORの研究も楽しいものになり、結果として収益の向上も期待できると考えています。
今回RCIを徹底的に使うことにより、数カ月後にみなさんのトレードが大きく向上することを期待しています。
では、今月も楽しくトレードしていきましょう!
※RCIとは「Rank Correlation Index」と表記し、日本語では「順位相関係数」と呼ばれます。
その名の通り順位の相関を示すもので、「一定期間において日付の順位と価格の順位を決め、その相関を表した指標」です。
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株式会社CKキャピタル代表取締役・CEO
青山学院大学卒業後、1985年大手米系銀行のシティバンク東京支店入行。
1996年まで同行為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後活躍の場を海外へ移し、
ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店で
プロプライアタリー・ディーラー等を歴任し、現在(株)CKキャピタルの代表取締役。
ロンドン、シンガポールのファンドとの交流が深い。